私たちが木を切る理由

■木を切るということ

「木を切る」という言葉を聞くと、皆さんはどんなことを連想するでしょうか?「環境破壊」「地球温暖化」などの言葉を連想される人も少なからずいるかと思います。実は「木を切る」ということは、目的があって行っている行為だということを知っていましたか?ここでは私たちが「木を切る」理由をご説明いたします。

■森林の現状

まず、福島県の県中地区・会津地区の森林の現状についてご説明いたします。この地域はそれほど林業が盛んな土地ではございません。第二次世界大戦後、戦後復興の名のもとに拡大造林された杉林の多くは伐採期を迎えているのですが、人の手が入らず放置されたままの状態です。

 

■森林を放置すると何がいけないのか?

放置された森林は、間伐・整備されないまま老齢化していますから、二酸化炭素(CO2)の吸収は活発ではなく、特に杉の老齢樹は子孫を残すための花粉を多く放出しています。また、間伐・整備されていない森林は、一本一本の木が貧弱になり、下層植生も貧弱になるため、山全体が災害に対して脆弱で、生物多様性も低いものになってしまいます。

 

■炭素の話

木の成分の半分は炭素からできています。炭素は、光合成で吸い込んだ空気のうち、二酸化炭素から得ています。木が行う光合成によって二酸化炭素が減り、温暖化防止に役立つということはよく知られています。

 

しかしながら、木はある程度成長すると、二酸化炭素を吸収する量が減り、木自体が吐き出す二酸化炭素の量を下回ります。そのため、成熟した樹木は放置せず、木材(資源)として役立たせるために伐採をするほうがずっと有益なのです。

 

大切なのは、森林を伐採した後に、しっかりと植林して将来に向けた資源(木材)を次の世代のために育てるということです。植林した若木が成長すれば、また光合成を行います。そして成長したら資源(木材)へと変えて、また植林する。このサイクルを続ければ、持続可能な地球環境の創造につながります。

森林伐採=環境破壊といった誤解は常に、管理が必要な森林と、保護されるべき天然の森林を並べて語られるために生まれているのではないでしょうか?

中央木材市場では、伐採適齢期を迎えた木はしっかりと切り、切りとった木は人が有益に活用し、切り取った分を将来に向けてしっかりと植林していき、持続可能な人の暮らしをつくる そのことに寄与していきたいと考えております。

 

■木を切ることのメリット

●地球温暖化防止
生きている木は二酸化炭素を吸収してくれますが、その木も燃えたり腐敗したりすれば、炭素はまた二酸化炭素に戻って排出されてしまいます。つまり、切らずにただ放置された木は、腐敗などで劣化することにより地球温暖化に拍車をかけてしまうのです。資源として活用するためにも、木が劣化する前に切ることが必要となります。

●自然を守り、育てる
木が増え葉や枝が密集することで、光をさえぎったり風通しも悪くなってしまいます。このままだと、次に育つはずの植物の生長までさまたげられてしまいます。木や天然の植物の健康を保つためにも、木を切るという行為は必要です。

●自然による事故の防止
木が腐敗したり枯れたりしたまま放置されていると、突然枝が落ちて怪我をしてしまったり、道路に枝などが大きくはみ出していると、交通事故をまねく可能性があります。そういった育ちすぎた木を管理することも大切です。

●生態系を守るため
虫や動物が食料を取るために、木は重要な役割を果たしています。伐採しなくてはならない木を放置したせいで周りの植物の生育が遅れてしまうと、虫や動物たちは住むところも食料も失う可能性があります。

 

■木を切ることのデメリット

●環境破壊
木は切ってしまうことはたやすいです。しかし、そこをまた元の森林のように再生させるには、かなりの時間を要します。むやみに切ってしまうことは、環境破壊の大きな要因となっています。また、過度な伐採を行うと、私たちが将来生きていく際に必要な資源が足りなくなってしまうという事態も考えられます。

●災害拡大の危険
木は、ただ立っているだけでなく、地中では土砂の流動を防ぐなど大きな仕事をしています。過度に伐採が進んだら、その役割をするものがいなくなってしまいます。そこへ、もし台風や大雨など、大きな災害が起こった場合、がけ崩れや倒木、また甚大な土砂災害につながるおそれがあるのです。

●地中の栄養分がなくなってしまう
倒木や生物の糞などが分解されて堆積することにより、土壌栄養分は豊かになりますしかし、過度な森林伐採をされてしまうと、木の根元に溜まった栄養分が流れ出してしまい、土壌栄養のもととなる木材がなくなってしまう可能性があります。